2017年1月21日土曜日

ほんまでっか?ハイデッガー!【…の現存在について述べつつ世界・内・存在や実存についても開示していくよ編】

『存在と時間』
旧訳
 初めて『存在と時間』を読んだのは大学時代だったから、もう三十年も前のことだ。岩波文庫の上中下三冊で、おそろしく読みづらいシロモノだった。ブルドッグのいびきのような音を口から漏らしつつ、タールの海を渡るような心地で読み進めていったのだが、最後まで読んでどうしても納得のいかないことが一つ残った。
 それが「現存在」というやつである。現存在は「人間」のことで、存在を規定する特別な存在だというのだ。え?存在って、人間を特別扱いすることで規定されるのか? なら、人間という「存在」はいったい誰が規定すんの?

2017年1月20日金曜日

ほんまでっか?ハイデッガー!【…の現存在について他人のふんどしで書いてみる編】

 ちょっとここで、他の人たち言を引きつつ、他人のふんどしでもってハイデガーについて語ってみたい。

本来性という隠語―
ドイツ的なイデオロギー
について 
(ポイエーシス叢書 (11))
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《現存在》が《存在的》「である」とか《存在論的》「である」ということは厳密には、そもそも判断不可能なのである。というのも現存在》ということで思念されているものは、或る一つの基体であり、その限りで《現存在》という概念の持つ意味は、非概念的なあるものだからである。
……………………
「アウシュヴィッツ以降、詩を書くことは野蛮だ」としたテオドール・W・アドルノによるハイデガー批判である。アドルノはハイデガーが「本来的」と「非本来的」に存在を区別することについて、そこにファシズムとの親和性を見出している。
 ここでは「現存在」を、存在でもその概念でもないと指摘している。

2017年1月19日木曜日

ほんまでっか?ハイデッガー!【…の解釈についての先駆者について編】

    一連のハイデガーについてのエントリーは、ナチスとハイデガーが根本で一致するということの暴露を目的としている。
 それには、ハーバーマスですら「この作品の実質的内容が信頼に足りえないという考えは、誤っている」と評価した『存在と時間』について、誰が見ても明らかなくらいにわかりやすく「開示」することが必要だとも考えている。

2017年1月13日金曜日

ほんまでっか?ハイデッガー!【…の「現存在」の正体について編】

世界の大思想〈第28巻〉
ハイデッガー 有と時(1967年)
「現存在」という単語は、日本では日常で使用されることはない。一応哲学用語のような扱いを受けているわけだが、ドイツ語では普通に日常でも使用される。といっても、「現存在Dasein(ヘーゲルが使用すると「実有」とか「定有」と訳されたりする)」がそのまま使われるのではなく、「現da」+「存在sein」という感じで、Es ist miemand da.(今誰もおらんよ)のようにばらけていたりする。あ、istってのはseinの三人称単数ってやつね。
有と時 (ハイデッガー全集)
   こういうのは別に珍しいことじゃなくて、弁証法の止揚aufhebenだって、拾い上げるとか、なかったことにするとか、逮捕するとかの意味で普段には使われる。ハイデガーが「ドイツ語でないと哲学できない」とかぬかしたのには、この辺の事情もあったりするのだろう。

2017年1月8日日曜日

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