2016年6月16日木曜日

かわいいだけがパンダじゃない



 パンダは確かにかわいい。
 あの色柄、そしてモコモコした動き、黒柳徹子ならずともハートにざくざく刺さってくる。
 動物園にいるやつを見る限りは。
 しかし、その実態はやはり「熊」であり、ぶっとい竹を引きちぎる強い腕、それを噛みちぎる牙、そしてその竹を某チーズのように切り裂く鋭い爪の持ち主なのである。
 熊が人を襲う昨今、果たして「大熊猫(パンダ)」が人を襲わない、などと誰が保証できようか。
 いや、実際に人がパンダに襲われたことがあるのだ。
 しかも、その襲われた人とは、一国の大統領である。マジで。

French ex-leader Giscard d'Estaing reveals panda attack

 襲われたのは、時のフランス大統領ジスカールデスタン
 なんかジスカールデスタンの娘が働いてる動物園にパンダがいて、大統領は自分の勇気(??)を試そうとして檻に入ったとかどうとか。しかし、"presidential courage"て何やねん。少なくともパンダに触るために試すもんじゃなかろうに。
 このパンダはポンピドー大統領の頃に中国から送られたもので、中国政府から大統領暗殺の密命を受けていた……ていうヘタな読み切りギャグ漫画みたいなことは全然なくて、まあ普通に推察して、娘に頼んで檻に入れてもらってちょっとパンダにもふもふしちゃおーっと、とか考えたのであろう。大統領のレベル、ドン・ガバチョ並み(古)。
 で、不用意に近づいてきた不審者にパンダはギャラクティカ・マグナム(これも古)をくらわし、身長一八九センチというレスラー並みの体格の大統領を吹っ飛ばしたわけだ。
 ジスカールデスタンはこの珍事をずーっとナイショにしてたんだが、二一世紀にもなって巷間に知れるところとなった次第。
 パンダだって、怒る時は怒るのだ。


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