2014年3月31日月曜日

終ったというのに何もそこから始まらないという感じがしみじみと

 今日、二〇一四年三月三十一日「笑っていいとも!」が終了した。
 熱心な視聴者とはお世辞にも言えない私だが、それなりの感慨はあった。去年の十月に終りを耳にしたときは「何の感慨もない」と書き付けたのだが……。それは、たまたま球場に足を運んだらまったく知らない選手の引退試合だった、というのともまた違った、自分でもちょっと予想外のことだった。

 テレビ番組の最終回というのは、終る番組への名残惜しさと同時に、次の番組への期待のようなものが感じられるものだが、「いいとも」の終了は、本当に終ったまんまその後何も始まらないような感覚があった。いや、なんかしら新番組が始まるってのは、知ってはいるけどね。なんだかそんなふうに錯覚させるような、妙な空気があったということ。

 ほとんどの人は気に留めなかったと思うが、番組冒頭でタモリが「いいともが始まった年は、500円玉が発行された年」というような話をした。それにつづけで、「明日から消費税が上がります。いいともが終ったのは消費税5%の最後の日だった、と憶えておくといいです」と、だいたいそんなようなことを言った。
 明日から消費税が上がるわけだが、普段安物買いをしては銭を失っている私ではあるけれど、あまり目立った買いだめはしなかった。今日はガソリンを満タンにしたくらいだ。燃費が悪くなるのでいつもは満タンにはしないのだが、やっぱりこれくらいはしとかないとな、とふと思い立ったのだ。
 ガソリンを入れながら、そういえば満タンにするのは震災の翌日以来だな、と思い出した。震災のその次の日からガソリンスタンドは長蛇の列になり、スーパーからは食料品がごっそり消え失せたっけ。あの日に比べれば、今回は消費者も冷静だな。などなど。

 震災の後、いろんなものが空々しくなった。多くのテレビ番組では、震災も原発も存在しないかのようになった。「絆」を謳いつつ、その一方で風化に拍車をかけていた。最期の最期になって、「いいとも」に総理大臣が出演したのがそれを象徴している。
 そうして、重大なことなど何もなかったかのように続いていた長寿番組は終了した。

 あと何年かして、「そういえば、あの時が」と振り返ることになるかも知れない。そんな予感がする二〇一四年三月三十一日なのだった。

消費税改正の概要と8%対応の実務

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