2015年5月8日金曜日

健康のためなら死ねる♪のつづき

「健康」への誘惑に人間は弱い。
 それは頭のできの良し悪しに関係なく、普段は理知的である人もとんちんかんな健康法にはまっていたりする。
 それがその人個人のものならいいが、周囲に宣伝して押しつけだしたり、さらには商売にしようとなってくると、何やらきな臭いことになってくる。


人知原理論 (岩波文庫)
『人知原理論』を著してニュートン力学を批判し、「その知的遺伝子は時空を超えてアインシュタインに受け継がれた」とされるジョージ・バークリは、晩年妙な「健康飲料」を売り出すことに熱中した。
 それは、タールで補強された繋留綱をぶつ切りにして、煮出して薄めた液体だった。どう考えても体に悪そうだが、バークリはこれこそ究極の健康飲料だ、として大々的に売り出した。ちなみに、カリフォルニア州のバークレーはこの人の名前が由来になっている。

健康売ります―
イギリスのニセ医者の話 
1660‐1850
    とは言え、これはバークリ独りが悪かったわけではなく、当時は怪しげな「医薬品」がそこら中で売られてたのだ。中には命に関わるものもあった。それも、けっこうたくさん。
 その実例の数々は、ロイ・ポーターの『健康売ります』をひもとけば、文字通り枚挙にいとまがないほど見出すことができる。
 しかし、二一世紀になっても「健康」についてのそうした「右往左往」っぷりはまったく変わっていない。みのもんたに影響されて、スーパーの棚から納豆(だったっけ?)が消えるような、フードファディズムなんかが具体的な例である。

サラダ油 コレステロールゼロ
    では、「科学」的でさえあれば、「健康」でいられるのだろうか?
 すると今度は「科学」について「右往左往」させられることとなる。
 コレステロールといえば、ちょいと前まで健康悪化のラスボスみたいなイメージで、とにかく食事を通して減らそう!てことになっていた。
 ところが最新の研究では、「何を食べようがコレステロールは関係ないよ」てなことになっている。
コレステロール値:「食事で変わらず」動脈硬化学会が声明
タイ発「ゾウが作る最高級のコーヒー」
 コーヒー豆35g ブラック・アイボリー
 コーヒーだってちょっと前まで「心臓病の原因」「一杯飲む毎に寿命が縮む」なんて言われていた。
 それがついこないだ、
コーヒーで病死の危険減 1日3~4杯http://www.47news.jp/CN/201505/
 …てな案配になっている。

 なんだかどんどん「健康」がわからなくなってくる。
 といったところで、次回に続く。すんません。

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