2015年1月26日月曜日

【HAHAHAHA!!やっぱり問題は土地だったじゃないか!!編】もしも西荻窪の古本屋がピケティの『21世紀の資本』(PIKETTY,T.-Capital in the Twenty-First Century)を読んだら


 久しぶりに続き。
 今月ピケティが初来日ということなんだけど、講演会は大人気のようで、抽選ではずれになってしまった。
 邦訳は順調に版を重ねているようだけど、別段うちのブログのアクセス数が上がったりはしてない。まあ、いきなり「財産」について考察し出して、「土地」の「所有」とはなにか、その「世襲」とはどのような影響を社会にもたらすか、なんてことを語り出しちゃってるから、しょうがないといえばしょうがない。
 経済学だけじゃ語りきれない部分、「なんで富の偏在とその世襲が良くないのか」を書こうとして、日本の「財産」の歴史を斜めからスライスしてたらこうなってしまった。
 じゃ、ピケティが「土地」について語っているかというと、ゼロではないんだけどそれほどでもない。というか、なんかちょっとあいまいになってる。そしたら最近、そこんとこを突いた「批判」があがってきた。

Is Piketty's "Second Law of Capitalism" Fundamental?
http://aida.wss.yale.edu/smith/piketty1.pdf

A note on Piketty and diminishing returns to capital
http://www.mit.edu/~mrognlie/piketty_diminishing_returns.pdf

  資本分配率とかって不動産の影響が大きいのに、それを考えに入れてないのはおかしくない?みたいな話。途中の数式とかが鬱陶しいんだけど、だいたいそんなような内容で、少なくともこれまで目にしたピケティ批判の中では、一番まっとうなように思える。資本と労働の代替性についても、地価上昇の影響を抜くとそれほど上昇はしない。
 ブログでは触れなかったというか、なんかもにょもにょするんで判断保留にしてたんだけど、ピケティはハイテクな生産手段が資本の主立った中身てことになってて、でもそれは結局南極放送局(様式美♡)で地価の上昇が正体だった、ということ。土地神話って、意外と普遍的なんだね。

 でもこれ、「批判」というけど、ピケティの言いたかったことをさらに先鋭化させてるようにも見える。
 二十一世紀の高度資本主義なんていってみても、一皮むけば相も変わらず、「土地」と「所有」と「世襲」が、社会の重要な部分を占めている、というわけなのだ。

 以下、例によって自分リンク集。

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